花博記念公園「鶴見緑地」周辺道路清掃奉仕
1991年11月17日、快晴の日曜日に、会員21人とその家族13名プラス41人の地区ボーイスカウト、計75名が地下鉄鶴見緑地線今福鶴見駅から内環状線経由鶴見公園駅まで、約2キロメートルの幹線道路の清掃奉仕をしたのが、今日まで続く清掃奉仕の始まりである。
第1回の清掃では約2時間の奉仕で市の環境事業局から頂いた60枚の緑のビニール袋を使いつくし、さらに買い足した数10枚の黒いビニール袋もいっぱいになった。道路の植え込みの中に投げ込まれた空き缶 、そして3匹の猫の死体。「どうしてこんな所にこんなゴミが」と思う反面、スポーツ感覚で肉体を使うこの奉仕は、以来、毎年11月にクラブの環境保全委員会の行事として続けられている。
清掃奉仕のあとは、ボーイスカウトも交えて、花博記念公園で恒例のバーベキュー・パーティを開き、これも会員の大きな楽しみとなっている。なお、この運動に際しては、通 りがかりの地元の方から、「私たちがしなけれぱならないのに有り難う」と感謝されたり、鶴見区の新聞「ローカル通 信」に紹介されるなど関心を集めている。事実、毎年、前年より収集するゴミの量が減ってきているなど、市民の側のモラル向上も見受けるようになったのも嬉しいことである。
私たちが「止めよう!ポイ捨て」を訴え、清掃奉仕するに至ったわけ(開始当時の趣意書から)
「大阪市のみならず日本中のいたるところに見られる、空き缶のポイ捨ては、醜い限りです。自動販売機で買ったジュース、ビール等の飲料は、自動車内で、或いは歩行しながら飲まれ、そして飲み終わった場所でポイ捨てされています。誰かが道ばたに捨てたり、置いたりした空き缶 (飲みさしもある)は、誰かが片づけない限り、いつまでもその場所に存在し続け、日本人、大阪人のモラルの低さを喧伝するでしょう。空き缶 公害を単なるリサイクルや資源浪費の問題に倭小化して考えるのは誤りです。それは、環境問題に対する市民の自覚、倫理感を 判断するバロメーターなのです。私たちは、自ら清掃奉仕をすることにより、市民の立場から環境問題の解決にいささかでも接近する糸口を見つけたいと考えました。当クラブ会員が、学生とともに自己の経営する学校付近の道路清掃奉仕を行ったところ、学校周辺の空き缶 ポイ捨てが激減した例があります。市民一人一人が自らの清掃奉仕の経験を通じてポイ捨てを止めれば「空き缶 公害」の軽減に役立つでしょう。ゴミ公害問題は「心」の問題、市民の自覚の問題でもあると私たちは信じます。当クラブの奉仕の一環として姉妹クラブから短期のホームステイに来阪したオーストラリアの少年サイモン・グルーア君は、奈良の春日大社で屑篭の設置のない自動販売機からジュースを買って飲み干したあと、空き缶 を当然のように自分のバッグに入れて持ち帰り、感銘を与えました。小さい頃から身に付いた市民の倫理感の重要性を感じました。」
当クラブの清掃活動のヒントとなった、アメリカの「アドプト・ア・ハイウェイ」プログラム
アドプトとは養子にするという意味。「アドプト・ア・ハイウェイ」とは、つまり、道路清掃の面 倒を特定の企業や団体がみることを宣言、実行するプログラムである。この契約を行政当局と結んだ団体は年に2~3回、その道路の清掃奉仕をする。清掃にあたってはゴミ袋が当局から支給され、清掃用の手袋、事故防止用のオレンジ色のチョッキが代表者を通 じて人数分貸与される。集めたゴミは、代表者が清掃の終了を電話で知らせると、その翌日に当局が車を出して収集してくれる。ハイウェイというが、実は市内の道路も含み、アメリカの道路には、いたるところに企業や団体による清掃請負宣言のサインボードが掲げられている。
(清掃奉仕をするアメリカのロータリアン。看板はライオンズクラブがケアをしている別 道路のもの)